ポル、そしてカッシーナつながり。
おやあぁあ・・・っと思った。会社に着いてふと手首を
見たら朝合わせてきたはずの腕時計が止まっていた。
振ってもローターが廻っている音がしない。。イヤな予感。
秒針がまったく反応しないので、もしやヒゲが切れたか。。
世界一堅牢な時計を謳い、なおかつ冒険者などと命名されて
いるモデルにも関わらずこのザマ、体堕落はなんだ。
植村直己さんが聞いたら悲しむに違いない。ホントですか。
と思いきやでもよくよく考えてみたら、手に入れてからこいつは
オーヴァーホールした記憶がない。
壊れたなぁ、、おカッシーナー(あーぁ)。。
明日の飛行機でリスボンを発つという前夜、
真新しいショッピングセンターを歩いていたら、大きな宝飾店があった。
たった今はそう珍しいものではなくなったけれど、その当時はデイトナと
並んでエクスプローラーは手に入りにくい時計のひとつだった。
丁度閉店時間を過ぎたところで、よく来たね、旅のご褒美だよ、でもまた
明日って、ガラス越しに話しかけられているみたいだった、笑
明朝のチェックアウト後急げば30分ぐらい時間が取れそうだった。
西欧を訪れる最後の国にしようと思っていたのは、スペインか
ポルトガル。まあどちらでも良かったけれど、ピレネーを越える
のはちょっと思い入れがあって次にすることに。
その頃、ヴェンダースのリスボン物語を見ていたせいもあった。
結局レンタカーで北はキャステロから、南はセッツバルまで
ポルトガルを縦断したのだった。
そもそも直に身に着けるせいだろうか。はたまた自然も生命も、
森羅万象の全てが時間の上に生かされているという意識のせいだろうか。
腕時計とは感情移入の容易な、情緒価値そのものだと思う。
それが旅の思い出と結びついていれば尚更。
それは例えば、
レンタカーの独逸フォードKAの、小さいのに予想外にしっかり
していたハンドリングだったり、
子供の頃正月に酔っ払った赤玉ポートワインのルーツはポルト
にあると何故かホテルマンに教えて貰ったことだったり、
ロカ岬の強い風とペールグレイに霞む海景だったり、
コインブラの古城ホテルに泊まったら霊気?で良く眠れなかったり、
リスボンのスーパーで買い求めた地元産オリーヴオイルの
フルーティな香りだったり、
何処にでもあるけど何処で食べても塩ぉっぱ過ぎで喉が渇く
だけの焼きイワシだったり、
これはというファドを体験できなくて残念だったり、
キャステロのレストランで隣を指差して頼んだ、桜色の柔らかい
貝の歯ごたえだったり、
その貝がペルチェバスという名前で、給仕のオジさんに
スペルを聞きながら紙ナプキンに書き取ったことだったり、
そのレストランから出た直後に10代の前半と思われる浮浪者
らしき女の子にとあるお願いをされたり・・・
保証書を引っ張りだすと、それは98年5月の話。
と、言うことは夏のニューヨークに行く前の連休の旅だ。
次々に止め処なく溢れ出す思い出。
クルマやバイクは勿論、時計だって、人間と同じ様に草臥れる
こともあるし、ガタも来て、そして、壊れる。
致命的になる前にしっかりメインテナンスが必要。
そんなことは百も承知だったはずなのにね。
だからこうして旅先で出逢った時計が壊れたりしたら
思い出をリマインドしてくれていると思えば良いかも。
自分に忘れ掛けている何かがあるのだと思えば良いのだ。
でも、ワタシにとっては随分と高いリマインド代です、苦笑


てなわけでどこがカッシーナつながりか、の東京駅丸の内へ。
場所柄と修理代がそれなり故か、LC1がずらり並んでおります。。

連休を挟んだとはいえ一ヶ月掛かるとは、、自分でやれば良かったか。
久々の ト ホ ホ ホ ホ であります。。。