« 2018年2月 | トップページ | 2018年4月 »

2018年3月 5日 (月)

TGV

 Img_01481
 

 リヨンからパリへ向かうTGVの窓から、
 隣を走る高速道路のプジョーやルノーのトラックを眺める。
 時々TGVに食らいつくようなスピードで走っているのはメルセデスや
 アウディで、どこからか艶かしいマセラティや旧いアルファロメオが
 矢のように追い抜いてこないかなぁ。
 空の上の方を走る雲の群れはなかなか近づいてこないから、
 彼らはかなり頑張ってアクセルを開けているのだ。

 TGVに乗ると、いつも思うのは車体に結構な揺れやヨレがあること。
 新幹線だと静かすぎて「飛ばしている感」みたいな感覚が薄い。
 そんな振動や揺れが、不快かというとそんなことはなくて寧ろ逆。
 それは欧州車の運転感覚に似ているのかもしれない。
 新幹線やレクサスの技術がたいしたもので、快適なのはわかるけれども。
 それって誰かに「乗せてもらっている感」なんだろうか。

 東海道新幹線を東京から西に向かうと、富士の裾野も絶景だけれど、
 結構好きなのは、浜名湖の弁天を渡る陸橋で左斜めになりながら
 スピードがぐっと下がる時。
 近づいた湖面の水のうねりがはっきり見えて、光に変化が起こる。
 ちょっと音楽の、曲のリズムが、変調する時みたいで。

 やがてリニア中央新幹線が開通したら、東京から名古屋まで40分。
 飛行機の持つ時間距離の感覚に近づく。
 その時に得られるものと失われるものは一体なにか。
 自動車が彼らに対抗するにはいよいよ翼をもつしかなさそうだ。

 そんなことを考えているうちに、パリのリヨン駅。
 ホームを歩きながら、今乗ってきたTGVの車体の汚れの生々しさに
 ハッとして思わず写真を撮る。
 ルマン24時間を走り終えたレーシングカーの迫力と同じ種類の美だ。
 空気を切り裂き続ける力によって、ただの汚れが美へ昇華する。
 クチバシだけではなく、やがて列車も翼をもつように進化するだろうか。

 それにしてもパリの光は美しいな。着いた着いたー

  
 Img_01571

 Img_0160
 Img_0159
 Img_0158_2

    

| | トラックバック (0)

2018年3月 4日 (日)

je t'aime

 Img_28001

 中学生の時に、遠藤周作を読み始めた。沈黙、海と毒薬、白い人・黄色い人、
 そして狐狸庵先生。

 遠藤周作が学生時代に留学した街として、リヨンはエッセイに度々登場した。
 リヨン大学仏文科の苦学生で、ジャポネーズだった遠藤周作にはどこにも
 「行き場」がなくて、誰もいない冬の動物園で、毎日のように猿の檻の前で
 過ごしていたという話がある。

 宗教と日本人について、その矛盾について、人に必要なユーモアと愛情、
 生と死、そして孤独について、たくさんのことを遠藤周作の本から学んだ。

 またリヨンに来たら、今度は遠藤周作の足跡を辿らなくては。
 おそらくここも何度も訪れたであろう大聖堂を仰ぎ見ながらそう思った。
 猿に愛を告白されたというその動物園は、まだあるのだろうか。


 Img_2804
 Img_2807
 Img_2806

    
     

| | トラックバック (0)

2018年3月 3日 (土)

ville de vélo

 Img_2685


 そしてリヨンの街は、旧市街からコンフリュエンスなど、
 主だった場所はおおよそ自転車で廻れる距離感が良いです。

 パリのヴェリブと同じシェアリングのシステムが導入されていて、
 自転車はつくづく都市の乗り物だなぁ、と思う。
 都市の建築にハンブルさが求められるように、言い換えれば
 人の生活圏として、その移動に適した広さの街がある。
 その範囲のなかで文化活動も含めたおおよそが足りてしまうという。

 QOLの基本は街のインフラから。その中に自転車がある。
 クルマの場合は所有から、共有するものに変わろうとしている。
 中国の大都市ではリープジャンプで先に自転車がシェアになった。

 おそらくリヨンも、住めば都蝶々。知らんか


 Img_2777 Img_27751 

 Img_2817

   

| | トラックバック (0)

2018年3月 2日 (金)

Huitres

 Img_2843

 そしてリヨンは、かのポール・ボキューズを生んだフランスの食文化を
 代表する街でもある。食い倒れの街、大阪のようかも。
 ずいぶんと昔、大阪ラテン説を拙ブログに書いたことを思い出しました。
 ただしここには道頓堀のようなケバい看板もなく、人形が立ち上がったり
 タラバガニが動いたりもしない。うどん屋の「あそこ」もない。
 良い悪いではなく、あそこはとても大事という話。ちがうか

 TGVの停まるリヨン・バールデュウ駅のほど近くにポール・ボキューズの
 名前が冠された新しいマーケット、レ・アールがオープンして、高級な
 食材や総菜、レストランがある。

 でもって、ランチは生牡蠣のサンプラーをいただく。地元のグラス
 ワインがついて50ユーロほど、泣。
 今日の産地はオレロン、ブルターニュ、ノルマンディの3種類。
 そして昼間からロブスター、もち時価です、号泣。
 ダミアン・ハーストが喜びそうな真っ二つだ。


 Img_2855_2 Img_2864_2
 Img_2859
 Img_2865_3


 アホづらで泣いている場合ではなくて、
 生きることは、つくづく命をいただくことだと、こんな時に強く思う。
 牡蠣は海の味がして、特別に、そう思う。感謝。


 どうでもいいんですが、自転車のディレイラー(ギアの変速機)で
 フランスにユーレーというメーカーがある。あった。
 ずっと長いこと、リアの変速機が牡蠣の形に似ているからその名前
 なのだと思い込んでいました。ですが、綴りを読むと変速機は
 Huretであって牡蠣はHuitreだったのですね。。。
 面長のユーレーを手に取った時の感じも、頑丈な殻も、ユーレーは
 ユーレーに似ている、と今も信じ続けているのですが。
 

 Img_2849_2 Img_2847_2
 Img_2869_3 Img_2870_2 

 もちろん、リヨンは特にハイマカミン、すなわちマカロン民度も
 高いでしょう。

   
   

| | トラックバック (0)

2018年3月 1日 (木)

Lyon

 Img_2821
 
 リヨンはフランス第二の都市。ですが、パリとはまったく異なる形で
 発展していることが、街を望むこの風景からわかる。

 美しい街です。旧市街にはローマ時代の円形劇場が残り、中世の城壁
 路地が張り巡らされるようにあり、大聖堂がある。そして現代建築まで
 違和感を感じさせず存在する。欧州の中世がいかに前期から後期まで
 長く、栄えたかがわかる。平和にではありませんが。
 積み重なっているそのバランスが、絶妙なのです。長い歴史から眺めたら
 近代の建築なんてほんとうにごく最近のこと。

 リヨンに住む人は、リヨンをリヨンらしく保ち、そのことを誇りに
 思っているだろうことが、街を歩くと旅行者の私にも伝わるのです。
 東京の人は、東京を誇りに思っているでしょうか。江戸っ子なんて
 ほとんどいなくなってしまっているから、ちょっと違和感がある。
 京都や大阪の人の方が、地元愛や街に誇りを持っていることを強く
 感じるのに似ているかも。


 Img_2778
 Img_2824
 Img_2796
 Img_2782 
 Img_27001

 Img_2797
 Img_2781


 リヨンのオペラ座は、ジャン・ヌーベルによるリノベーション。
 新旧のハイブリッド建築。

 Img_28321
 Img_28391

 Img_2842

  
     

| | トラックバック (0)

« 2018年2月 | トップページ | 2018年4月 »