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2018年6月 2日 (土)

Les Globes @ Whole Earth Ecolog

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 地球つながり。
 この雑誌を手に入れたのは、たぶん1991年か2年。
 神田神保町の今は無き洋書屋の店先で、古本でした。
 そしていつかこの雑誌のことを書こうと思っていました。

 ホール・アース・カタログといえば、かのスティーブ・ジョブスが
 若かりし頃多大な影響を受けたという雑誌。もはや伝説となりつつある
 スタンフォード大でのスピーチにも出てくる、ステイハングリー、ステイ
 フーリッシュのアレです。
 60〜70年代のヒッピー文化に染まった人であれば良くご存知でしょう。
 パーマカルチャーもオーガニックもこの時代の西海岸をルーツとしています。

 ジョブスが言っていたように、このホール・アースとはアナログ版の
 グーグル。
 その記事の焦点は名前が示すように、地球温暖化、化石燃料枯渇、
 環境汚染、移民、人口増加、食料、水、都市化問題、、といったもの。
 20世紀半ばから、現代のSDGsにもつながる諸々の社会問題や課題解決に
 ついて、答えを考えるための書籍の存在やハウトゥ、ヒントを教えてくれる、
 言わば地球規模のサバイバルのためのカタログ雑誌なのです。

 で、このホール・アース・エコログは、71年に廃刊したそのカタログの
 続編のひとつとして90年に出版された一冊。
 ヒッピーからその後の世代へ伝承するためのもの。いうならば遺伝外情報、
 ミームみたいなものでしょうか。

 90年といえば、まだインターネットが登場する前の、日本ではバブル時代。
 それでも変わらずエコロジーを謳っていて、今見返しても全然古くない、
 テーマも考え方も陳腐化していないのです。
 換言すれば、そのまま諸処の問題解決がされないまま21世紀の今を迎えて
 いる、ということでもあると。。。

 それでこの雑誌の中で、一番印象深いこと。
 見開きに米国の建国と文明文化の歴史がマンガになっていて、(たかだか)
 240年程の経済発展の様子が描かれています。
 家が建ち、道ができ、電気が通り、街ができ、鉄道が敷かれ、馬車が自動車
 になり、信号が出来て、、人々が移動の自由を謳歌し豊かさを求めてきた
 米国の資本経済の姿がコマ割りに。
 そしてこのマンガは裏表紙へと続き、最後はこの先の「未来世界への選択」
 が描かれているのでした。

 ひとつは、このまま発展が進み、(おそらくは)エネルギーや環境を始めと
 する全ての社会問題や技術が解決されて、自動車が空を飛んでいるような
 いわゆるレトロフューチャーな「ユートピア」が実現された世界。
 もうひとつは、行き過ぎた科学技術や資本主義の限界、がもたらす環境破壊、
 何かを間違えてしまった結果の「ディストピア」が起こる世界。

 最後にマンガは問いかける。あなたならどちらに転ぶか、と。
 でも、この雑誌の読者である「エコトピアン」ならば、こんなクリーンで
 グリーンで、クレバーな社会を選択をする、という示唆的、箴言的なコマ絵。

 昨今の台風や豪雨、地球規模の異常気象は言わずもがな。
 すでにディストピアは始まっている?
 このごろ地球がちょっとおかしい。そう感じている人は多いはず。
 同時に、その温暖化の原因が大国の行き過ぎた経済活動によるものと 
 疑っている人も。

 しかして、世界の人口増加ひとつだって止められないように、アメリカや
 中国、アジアの経済発展を市井の我々が抑制などできやしない。そこへ
 日本も加担しているのだし。

 京都議定書やダボス会議で真剣な議論がされているような事柄を、
 世界的な資本主義経済発展のイナーシャを止めずに、我々が草の根から
 その進む方向をどう変えて行くかという話し。ヒッピーの幻想や夢物語など
 ではなく。

 例えば、ジョブスにだって師がいた。
 アラン・ケイや、スチュアート・ブランドもその一人。
 2007年にiPhoneが発売になった時、そのトップ画面が地球だったのは
 ブランドが編集したホールアースカタログ誌へのリスペクトだと聞いた
 ことがある。
 発売から10年を過ぎて振り返って解る。小さなiPhoneは世界を変えたと。
 でも現実を変えたのはiPhoneという道具を手にした人間達だっだのだ。

 次に世界を、例えば「本来あるべき容(すがた)」に変えるのは、一体
 なんだろう、どんなもの、どんなことなんだろうね。

 ひとつの答え、ヒントは、この古い雑誌のなかにある。そう思っている。

 
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